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採用ノウハウ副業・複業人材採用媒体

人手ではなく「知見」が足りないときの選択肢。広島の中小企業が副業・複業人材(プロ人材)を活用する考え方

2026年8月30日

「人手は何とか回っているが、マーケティングや経理の立て直しなど、専門的な知見を持った人材がいない」というお悩みを、広島の中小企業の経営者からうかがうことがあります。こうした課題は、求人票を工夫して正社員やパートの応募を増やすだけでは解決しないことがあります。近年は他社に勤めながら空いた時間で専門スキルを提供する「副業・複業人材(プロ人材)」を、業務委託などの形で活用する中小企業が広がりつつあります。今回は、広島の中小企業が副業・複業人材を活用する際の考え方と、無料求人媒体を使った採用との使い分けについて整理します。

「人手」の採用と「知見」の獲得は分けて考える

中小企業の採用課題は、大きく分けて「現場を回す人手が足りない」というものと、「特定の専門知識やスキルを持つ人材がいない」というものの二種類があります。前者は日々の業務を継続的に担う人材が必要なため、Indeed・エンゲージ・求人ボックスといった無料求人媒体を使い、正社員やパートとして母集団を形成していくアプローチが適しています。一方で後者は、常勤で雇用するほどの業務量がない、あるいは特定のプロジェクトの間だけ知見を借りたいというケースが多く、フルタイムの正社員採用とは別の解決策を検討する余地があります。この二つを区別せずに「とにかく求人を出す」という発想で進めてしまうと、必要な専門性を持つ人材になかなか出会えないまま採用活動だけが長期化してしまいます。

副業・複業人材(プロ人材)とは何か、スポットワークとの違い

副業・複業人材(プロ人材)とは、他社に正社員として勤めながら、空いた時間を使って別の企業の業務委託案件に携わる人材のことです。マーケティング戦略の立案、経理・財務体制の整備、ITツールの導入支援、新商品開発の壁打ちなど、専門性を要する業務を、必要な時間だけ切り出して依頼する形が中心になります。これは、飲食店や小売店の繁忙期・欠員対応に向く単発・短時間のスポットワーク(いわゆるスキマバイト)とは目的が異なります。スポットワークは「その日その時間の人手」を埋める手段であるのに対し、副業・複業人材の活用は「自社に不足している専門知見を、雇用によらない形で補う」ための手段だという違いを理解しておくことが大切です。

中小企業が副業・複業人材を活用する場面

広島のような地方の中小企業では、専門人材を正社員として採用しようとしても、そもそも母集団が限られていたり、フルタイムで雇うほどの業務量がなかったりすることがあります。そうした場合に、副業・複業人材の活用が検討候補になります。

いずれも「自社の正社員として定着してもらう」ことが目的ではなく、「必要な期間・必要な範囲で専門知見を借りる」ことが目的である点が、通常の採用活動とは異なります。

導入する際に気をつけたいポイント

副業・複業人材の活用を検討する際は、契約形態の整理が欠かせません。業務委託契約であれば、指揮命令の実態が雇用契約に近くなっていないか(実質的に労働時間や業務の進め方を細かく指示していないか)を確認する必要があります。一方、他社に雇用されている人材を自社でも雇用契約として受け入れる場合は、労働基準法上、他社との労働時間を通算して管理する義務が生じる点にも注意が必要です。また、専門人材に業務を依頼する際は、自社の課題や期待する成果をできるだけ具体的に伝え、限られた稼働時間の中で成果を出してもらえるよう、依頼する業務の範囲を事前に整理しておくことも重要です。あわせて、事業の内部情報を扱ってもらう場合には、情報管理に関する取り決めも忘れずに行いましょう。

正社員・パート採用と組み合わせる考え方

副業・複業人材の活用は、正社員・パート採用に代わるものではなく、補い合う関係にあります。日々の業務を継続的に担う人手については、引き続きIndeed・エンゲージ・求人ボックスなどの無料求人媒体を使い、求人票の内容を継続的に改善しながら母集団を形成していくことが土台になります。そのうえで、社内に不足している専門知見については、副業・複業人材の活用という選択肢も視野に入れることで、限られた採用予算・人的リソースの中でも、経営課題の解決に必要な力を柔軟に補うことができます。

副業・複業人材の活用を検討する際のチェックリスト

よくある質問

Q. 副業・複業人材とスポットワーク(スキマバイト)人材は、どちらを使うべきですか。 目的によって異なります。繁忙期の穴埋めや急な欠員対応など「その場の人手」が必要な場合はスポットワークが向いています。一方、マーケティングや経理の立て直しなど「自社にない専門知見」を必要とする場合は、副業・複業人材の活用が適しています。

Q. 副業・複業人材はどのように探せばよいですか。 専門人材と企業をマッチングするサービスや、地域の商工団体・プロフェッショナル人材戦略拠点などの相談窓口を通じて探す方法があります。まずは自社が必要としている専門性と、依頼したい業務範囲を整理したうえで相談することが、ミスマッチを防ぐポイントです。

Q. 副業・複業人材を活用すれば、正社員の採用は不要になりますか。 いいえ。副業・複業人材はあくまで特定の専門知見を必要な範囲で補う手段であり、日々の業務を継続的に担う人手の確保には、引き続き正社員・パートの採用が必要です。両者は目的の異なる別の手段として使い分けることが大切です。

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